カクヨム/なろう投稿作品についてアレコレ考えるブログ

小説投稿などについて書いてます。

「セイレネス・ロンド」一人語り

セイレネス・ロンドにまつわるあれこれ

そもそもこのエントリーって?

これは、「カクヨム周り徒然」というエッセイの344.を一部改変したものです。
私の大切な作品である「セイレネス・ロンド」について、一人でも多くの人に関心を持ってもらいたいという思いから、こちらのブログにも掲載することに致しました。

少し長いですが、お付き合いいただければ幸いです。

 

そもそも「セイレネス・ロンド」って?

 私が書いた小説です。現在存在するのは、ヴェーラ編の三部作(100万文字)だけというのが公式なところです。

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「セイレネス・ロンド」の主役たち

 こちら(↓)は第一部

kakuyomu.jp

 

というわけで本編

書き始めた時期というか。

 「セイレネス・ロンド」を書いた時って、ちょうど鬱から回復し始めた頃。もう何年も前の話のようにも思えるが、実は5年くらいしか経っていない。

 

当時の心境というか。

 当時はそれだけ世の中に絶望してたんだろうなって思うわけだ。
 しかし、作家に必要なのはその『憤懣のエネルギー』だろうなとも思う。「世の中に不満があるなら自分を変えろ」とは攻殻機動隊草薙素子少佐の弁なれども。

 当時も今も、別に世の中を変えたいとは思ってはいないのだが、私は『何もしない』ではいられなかった。その衝動が「セイレネス(※注:セイレネス・ロンドの前身)」を生んだのだと思っている。実はマリオン編の第0部となる「セルフィッシュ・スタンド」という作品の中で、ヴェーラ編第三部のラストシーンは決まっていた。だがしかし、そのシーン自体、「セルフィッシュ・スタンド」を書く前にもうすでに決まっていたわけだから、もうこれは必然以外の何物でもない。書きたかったのは、ラストシーンなわけだ。

 結末がああなるということは、読んでいて察しが付くようになっている。そういう風に煽っているわけで、逆にそうでなければ私の文章力の未熟さの表れである、と断定してもいい。そして、そのtragedyに向かって突き進むあの『どうしようもない流れ』に、無力感と無情感を感じてもらえたなら、当該作品の作者冥利に尽きるわけなのだ。

 

リスペクトとオマージュと。

 最後のシーンに至るまでの条件の一つとして、途中でどうしても「攻殻機動隊SAC」のリスペクトとして「笑い男」のくだりを入れる……というミッションがあった。もともとJ.D.サリンジャーは厨二の神として崇めていたし(というか、英文学科で『The Catcher in the Rye』を読んでいない人はいないはずだ)、どうしてもあの「芥子の仮面」というフレーズを使いたかった。ちなみに「笑い男」は「ライ麦畑でつかまえて」の中に登場するわけではない。「ナイン・ストーリーズ」という短編集の中にある「笑い男」という短編に登場する。

 「セイレネス・ロンド」は、「ライ麦畑で捕まえて」と「ナイン・ストーリーズ」まで読んで初めて完結するといっても良い。というのは、使ってるフレーズや展開に、これらの物語を踏まえている場面が何か所もあるからだ。なので、両ストーリーを知っている方は、もしかすると「ニヤリ」とするかもしれない。しかし、知らなくても物語の理解に関しては、全然問題はない。ある種のサービスだと思ってやらかした。

 

異色作の自負

 カクヨムに置かれている数多の作品の中でも「セイレネス・ロンド」は相当な異色作品になるはずだと、私は思っている。誰にもマネのできない物語だから、決してテンプレなどにはなりえない。つまり、人気が出ないわけだ(笑)

 しかもそのボリュームたるや、今掲載中の「ヴェーラ編」三部作だけで100万文字もある。うんざりする分量である。それだけでもかなり数は絞られるが、その上に畳みかけるような悲劇が用意されている。諸行無常と言っても良いし、死はすべてにおいて平等だというように読んでも良いし、色即是空・空即是色、そんな観念を持ち出してきてもいい。「セイレネス・ロンド」というのは、それらの|綯《な》い交ぜになった世界なのだ。なんの慈悲も甘さも、当然ご都合主義も存在しない。ただ、メインの人物全員が、『圧倒的に強い』ということを除けば。しかし、その『強さ』こそが悲劇のエッセンスなのだから、もはや救いはない。

 

空転時期と再起動

 「セイレネス・ロンド」の前身である「セイレネス」は、「小説家になろう」に掲載していたのだが(現在は削除した)、正直WEB小説の何たるかを全く理解していなかったということもあって、見事に見向きもされなかった。それはもうひどいもので。100万文字の空気だった。導入部分や話の構成、主テーマ、それらすべてを取り替え、大改稿したものをカクヨムに載せたところ、★143個(2018/8/5現在)という快挙を達成することができた。最初の大きなカクヨムコンテストに重なり、その流れで★を入れてもらえたというのも正直ある。全部読み切った人は実際のところあんまりいないだろう。

 

しかし……

 何より残念なのは、第一部から第二部に進んでもらえなかったという事実。これが現実。第一部に圧倒的な魅力があれば、読者はおのずと第二部へと進んだはず。もっとも、第二部に進んでくれた人はそのまま第三部へ行ってくれたような感じではあるから、本当に世界に共感してくれた人は第二部経由で第三部まで行ってくれたんだと思う。感謝しかない。

 でも本当にそういう人は少数で、第三部まで何とか進んでほしいなと思っている。面白ければ先に行ってもらえるというのは、「シスターシスター?双方向性三角関係」では実証済み。同シリーズは1~7までで約90万文字あるのだが、「7」のラストまで進んでくれてる人が約100名もいる。シリーズを重ねるごとに数は減っていたのだが、それでも微々たる減衰率で。だから、作品力さえあれば、読者はちゃんと先に進んでくれる。ということを踏まえると、「セイレネス・ロンド」には何かが足りないのだと思う。

 

その要因とは?

 それの大きな要因の一つは「読者におもねる気がない」ということだろう。これがたぶん圧倒的。「シスターシスター?双方向性三角関係」は読者がどういう展開になったら意表を突かれたり共感したりするかを第一に考えていたわけだから、これはもはや「セイレネス・ロンド」とは対極の位置にある。作品へのアプローチが違うのだ。「セイレネス・ロンド」は、ある意味ひどくワガママな作品なのだ。そしてそれゆえに、「一式鍵」という人間の人間力が全て描き込まれているといっても良い。あの作品を読んでもらえれば、私という人間が分かる――そのくらいの作品なのだ。本当にセルフィッシュな作品だ。

 

とにもかくにも……

 「セイレネス・ロンド」は、ヴェーラ編1~3部まですべてがそろって完結するもの。第一部だけでは物語の序章でしかない。ヴェーラ編全体で見たところの「序破急」の「序」なのだ。だから第三部「歌姫は背明の海に」まで至って、初めて第一部・第二部に仕掛けられた「思い」の地雷を踏んでいたことに気付くわけだ。さもなくば地雷は不発だということ。

 なのでどうか暇を見て第三部まで読み切って欲しいなと思う。よろしく。

 

抜粋するよ!

 ついでに紹介するけども、私が心にナイフを突き立てながら書いたシーンを抜粋します。どこからの抜粋なのかは秘密。

 イザベラは腕を組みかけ、途中でやめる。レベッカはきつく腕を組み締め、目を閉じた。その様子を見て、イザベラは腰に手を当てて、朗々と読み上げる。

「そこへ至って僕はどうするかというと、口がきけず耳も聞こえない人間でいようと考えた」
「……ライ麦畑で捕まえて?」
「正解」

 イザベラは満足げに頷いた。レベッカは目を開けない。

「山賊どもは彼をとどめおいた。ただし、芥け子しの花びらで作った薄紅色の薄い仮面で包むという条件を付けてだが」
「……笑い男
「そうだね」

 イザベラは哂う。

「さしずめ、わたしは笑い女だよ。芥子の仮面は、わたしの居所をたちまち知らせてしまう。なぜなら、芥子の仮面は阿片アヘンの香りを振りまくからなんだ」
「そしてその飼い殺そうとした山賊を敢えて殺すようなことはしない」
「そうさ」
「でも――」
「山賊の頭領の母親は、笑い男、もとい笑い女の謀略によって殺されてしまうんだ」
「その母親が、私……?」

 レベッカは背筋が凍ったのを知覚する。

 

 上記シーンには二つの作品が出てきます。どちらもJ.D.サリンジャー
 「ライ麦畑でつかまえて」と「笑い男」。
 これは「攻殻機動隊SAC」の第一部のリスペクト以外の何物でもない。

 

恩返し

 その偉大な作品と同じ文学作品(サリンジャー作品を「文学」と格式ばった言い方をするのが是か非かという議論は置いておくとして)をモチーフにしておいてなお、ここまで違うものが書けるのだということを自分に証明してみたかった。だから、敢えてこの二作品を選んだ。実に挑戦的なのだが、これは強いて言うならば『恩返し』のつもり。

 神山健治監督は、私が最高にリスペクトしているアニメ監督だ。私に創作意欲を取り戻させてくれたのは紛れもなく「攻殻機動隊SAC」。感謝してもしきれない。いつか直接この思いを伝えられたらと思っているくらいに。

 

愛の物語なんだよ

 「セイレネス・ロンド」は、言ってしまえば「愛」の物語。第一部と第二部では「男女の愛情」が描かれている。それぞれ違った形の愛を。そして第三部ではそういった枠組みを飛び越えた愛を描いている。そういうものを描きたいという強い衝動があった。私自身、鬱を抱えて色々日々悩み続けて苦しんでいたその当時の、世の中や自分に対する強い不満や憤懣があった。だから、それを放出しなければならないとも思っていたわけだ。さもなくば自壊してしまう、そんな危機感すらあった。

 その結果生み出されたのが、「セイレネス・ロンド」。

 自分の作品ながら、怨念のような、怨嗟のような、そんな執念と執着を感じている。100万文字、登場人物たちはよく頑張ってくれたと思う。物語を描いたのは私であることには間違いないのだが、そのストーリーを描き出したのは紛れもなくヴェーラであり、レベッカであり、カティであり、マリア。キャラ設定、キャラ造形にこだわりにこだわった結果、彼女らが勝手に企画会議をするようになった。

 例えば「主観的な未来予報だ」なんていうフレーズはヴェーラが考えたもの。レベッカが必死に考えて発した言葉をそんなフレーズで打ち消すヴェーラ。というよりも、カウンターでオーバーキルしてしまうほどのフレーズだ。最大の親友にたたきつけられるその言葉は、第三部にて真の威力を発揮してくる。いわば数十万文字を挟んだ伏線になっているというわけだ、ネタばらしをすると。そういうある種『ひどいことば』を投げかける選択をしたのはヴェーラであり、それを親友にたたきつけるという選択をしたのもヴェーラだと、私は思っている。

 

でも、tragedy

 「セイレネス・ロンド」を一語で言うなら紛れもないtragedyであって、それ以上でも以下でもない。最終的なトリガーを引くタイミングすら、ヴェーラたちの合議で決まった。作中で多くの会話をする彼女らですが、その会話を追っていくだけで、彼女らが一体どんな会議をしていったのかが分かるようになっています。

 なので、『ご都合主義』なんかが入り込む余地はこれっぽっちもなかった。可能な限りリアルな会話にしなければならなかったわけだから。さもなくば、傍観者たる読者はしらける以外にないわけだから。それだけは絶対に避けたいと思って、そこに至るまでの会話を綴った。うまくいっただろうか? それは読者のみぞ知る。

 「悲劇」とラベルを付けるのはすごく簡単だ。だが、「悲劇」というのは『合理的』でなければならないと私は思っている。ありとあらゆる可能性を考えて、その結果どうしようもなくその方向へ進まなければならない――そんな姿を忸怩たる思いで見守らなければならないことこそが、悲劇なのだと私は思っている。何とかならないのか、どうにかできなかったのか――読者にそこまで考えさせ、悩ませることができる作品だけが、「悲劇」を名乗れるのだと思っている。そういう意味では「セイレネス・ロンド」は「悲劇」を名乗ってもよいのではないか? などと私は思いこもうとしているわけだが、その判定も読者のみぞ知る。

 

最後に宣伝

 

 圧倒的悲劇――一切の妥協を許さない。逃げ道もない。甘さもない。
 そんなドラマ、「セイレネス・ロンド」ヴェーラ編三部作。
 ぜひ。
 

kakuyomu.jp


 

閃烈のアスタルテ

という作品を掲載しています。


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ロボットSFです。

熱いです。でもクールです。

そんな作品を是非。

閃烈のアスタルテ:終末を告げる怒涛(一式鍵) - カクヨム

コンテストにも参戦中です。

いままさに、応援が必要です!

ぜひとも★なんぞを入れてください!

よろしくお願いいたします。

【艦これ】5-5攻略編成

気管支炎がひどくて眠れないので更新しちゃいますよ。

5-5ですが、現在こんな感じの装備と編成でやっています。

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高速戦艦1、装甲空母3、あと空母2.これで十分いけます。

レ級eliteは先制爆撃&空襲カットインで倒す感じ。

この辺のお祈りは変わらずですね。

 

で、BOSSですが、その辺も意外と簡単につぶせます。

が、現在3連続E風中。

5-5はBOSSに辿り着くのが難しいのであって、BOSS自体は大したものではないのです。

【艦これ】4-5攻略編成

というわけで、毎月お世話になる4-5の攻略編成です。

以前にも4-5編成書いてますが、だいぶ変わったので。

使うルートは中央下(最初の能動分岐を上に行くだけ)

 

この編成でだいたいBOSS到達&撃破率は60~80%くらい。

最初から最後までこれでいけます。

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蒼龍と瑞鶴は普段は控え選手。蒼龍の改二だけでうち7人おるでの……。

健闘を祈る~。

【艦これ】「水上打撃部隊」南方へ!【5-1】

唐突に。

任務の編成。

龍田改二記念に、龍田編成でやってみました。

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装備はものすごく適当(゜¬゜)

 

ちなみにBOSSでも1戦目でも、潜水艦は出ませんでした(´・ω・`)

 

すっかり体調不良で。

風邪と夏バテが一気に来て、気管支炎ひどいのにやられ中。もうこれわかんねぇな。

 

現在、「閃烈のアスタルテ」という作品を連載中。なかなか体調の都合でままなりませんが、8/6には完結します。

 

よろしくお願いいたします。
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閃烈のアスタルテ:終末を告げる怒涛(一式鍵) - カクヨム

 

電撃《新文芸》スタートアップコンテスト

3作品エントリーしています。

 

「僕の家庭教師はJDにして剣豪、ついでにショタコンメガネフェチ。」

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「閃烈のアスタルテ:終末を告げる怒涛」

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そして、

「シスターシスター♡双方向性三角関係」

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特に一つ目の「僕の家庭教師は~」が今回一番押したい作品です。ほかの方の作品とはかなり毛色が違う作品になっているという自負があります。

是非とも閲覧、応援のほどよろしくお願いいたします。