最強のふたり
……という映画をレンタルしてきて観ました。
GEOにいって物色していた時に、特設サイトで紹介されていたのを思い出しまして。
これはアレコレ賞をとるのはもう必然ですねという逸品でした。
しかも実話ベース。
映画的脚色はあるにしても、モデルの当人たちも存命ですし
当人たちも関わっている作品なので、根底はたぶんブレてないでしょう。
大富豪の障害者と、スラムの黒人。
普通なら絶対にポジティヴな接点が生まれない立場の二人。
どこを切ってもとんでもクオリティなんですが、
特にこの黒人役の俳優(コメディアンらしいですが)の演技がすごい。
映画の中にグイグイ引っ張り込まれる。
そして秀逸な台詞回し。
残念ながら、私はフランス語は理解できませんが
フランス語的には一層ウィットに富んだものなのでしょう。
そして日本映画ではたぶん出来ない台詞が多数出てきます。
一瞬で言葉狩りにやられます。
「健常者専用チョコレート」とか。
台詞だけ抜くと、障害者差別にしか見えないものがたくさん出てきますが、
それがあって初めてこの映画は生きてくると思います。
富豪の方の台詞や表情の端々にも、それが見える。
怪演と言うに相応しい演技でした。
無駄のない構成、視聴者を置いていかない程度のスピード感、
台詞や演技の一つ一つに聞き入ってしまう雰囲気。
観た後にモヤモヤの残らない、本当に優しい映画です。
うちの嫁も激しく感動していたのが印象的でした。
観て損はしないと思います。