カクヨム/なろう投稿作品についてアレコレ考えるブログ

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『セイレネス・ロンド』に込めた思い

「セイレネス・ロンド」、
長かった連載もようやく終わります。
約1年かけて歩いてきた道のりでしたが、
来る11/7に完結します。
3部合計で100万文字。よくやった、私。

 

第一部、第二部、第三部とも、
主題も中心となる事件も違っていて、
その中で主役級の少女たちが成長していくという。

ヴェーラも、レベッカも、カティも。
最初は「少女」だったのが、「女性」になっていく。

そして大艦隊を率いたり、エース飛行隊を率いたりと
リーダーシップを発揮し始める。部下もできる。

ただの14歳の少女が最終的には海軍中将となり、
一個艦隊を率いる身分になる。
ただの18歳の少女が最終的には空軍大佐となり、
最強の飛行隊エウロスを率いる身分になる。

それぞれの立場で言えること、できることを駆使して
色々なものに対抗していくわけなんですが、
最終的には……。

 

「セイレネス・ロンド」は徹底的な反戦物語です。
戦争を描いて描いて、その中に「反戦」を結晶させた物語です。

人の死に無駄なんてないはずなのに、
確かに無駄に死んでいく。

人の想いに無駄なんてないはずなのに、
遂げられることなく消されて行く。

それが戦争なんだと。

 

ヴェーラとレベッカは、言ってしまえば人間兵器です。
人間の身体、人間の意志がありながら、
その存在意義は「セイレネス」の「コア・ウェポン」――。

ヴェーラとレベッカのパーソナリティについては
読んでいただければわかるように、ごく普通の少女です。
恋もします。怒りもします。ケーキも食べます。

でも、彼女ら無しに戦争を、
そして国体を維持することすらままならない。
彼女らが敵を殺さなければ、国家は滅んでしまう。
情勢はそんなギリギリの状況にあります。

セイレネスは残酷な兵器です。
殺す相手の意識が流れ込んでくる。相手の顔が見えてしまう。
否応なしに断末魔を聞かされる。そんな兵器です。

その中でヴェーラたちは十数年戦い続けます。
戦わされ続けます。
大切な人を失い、想い人と引き離され……。

それでもヴェーラたちは戦い続けるのです。
無力で無責任で無知な国家国民を守るために。
大切な人たちの未来を守るために。

自分の持つもの全てを犠牲にしながら。

 

そんな物語です。セイレネス・ロンドは。

これが、私が「描かなくてはならない」と思った世界です。

 

本作に込めた思いは、
ここに書いた文の何十倍とあります。
描ける限りの悲劇と理不尽を込めて、
そしていくばくかの救いを込めて、
描き抜いた世界です。

 

共感でも反感でも何でもいい。

本作を読んで、読者に何らかの心の動きが発生したなら
これぞまさに狙い通り。

でもそうなるためには、
一人でも多くの人に読んでもらわなければならない。

是非にとも、お読みいただければと存じます。
宜しくお願い致します。

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