カクヨム/なろう投稿作品についてアレコレ考えるブログ

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教えて、数学ガール

実は私は、まだ1巻目から抜け出せていませんが、 フェルマーの最終定理ゲーデル不完全性定理乱択アルゴリズムガロア理論……といろいろあります。 他の小説とは違って、じっくりと理解したいという思いから 次の巻に進みたい誘惑に抗って、1巻目にしがみついているのです。 秘密ノートとか、数学ガールの誕生は読んだんですけどね。 ともあれ、これほど何度も繰り返して読んだのは、 星の王子様以来です(・д・) というわけで、私の中にも数学ガールが誕生した経緯でも書いてみます。
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※結城先生作のロゴ。   http://www.hyuki.com/girl/note.html より持って来ました。 この著者の結城浩さんは、 私にしてみれば神様みたいな存在です。 私がWebサイトを作り始めた1990年代。 わからないことや新しいものを創りたいと思ったとき、 そして行き詰ったとき、最後にはこの結城さんのサイトに辿り着いてました。 プログラムもずいぶん勉強させていただいたものです。 ていうか、この方なしに、私の最初の社会人生活はなかったし、 アラフォーになった今でも何かを創ろうというモチベーションはなかったかもしれない。 創造に関してはいまだに芽が出てませんけど。 転職して、Web製作からも疎遠になって、 自然と結城さんのサイトからも疎遠になっていきました。 初音ミク登場と同時に、自分はそのブームに乗りました。 その創造性、創造のリンク、技術革新、そういったものに感動しました。 ミクというキャラに対する何かというよりは、技術への関心でした。 その辺技術屋ですね、自分。 技術と言っても、プログラムそのものだけではなくて。 CGMという概念が、これで間違いなく一歩進んだという感触、 これもまた市場への技術で、 その後でどの方向へどんな風に進んでいくのか、 非常に関心が湧いたのですね。 クリプトンさんが札幌(そしてご近所さん)の会社だったということもありますが。 そこでミク黎明期の曲をかたっぱしからあさっていたら、 よよPの「数学ガール」という動画に遭遇。 よよPサウンドにただならぬものを感じました。 実際、よよPはタダモノではなかったんですが。 そして、コメントを良く見ると「結城先生」という名前がチラリ。 「あれ? この人って……?」 調べてみたら、やっぱりあの方。 すごい再会でした。 高校で文系に進んで以来、数学や物理には疎遠になってしまっていて、 でも卒業後に関心は宇宙へとどんどん向いていって でも専門的な内容になるとさっぱり理解できなくて もどかしい日々を送っていました。今でもですが。 それまでの自分の中の数学や物理の知識は 「理解のための手段」でしかなかったんですけど、 「数学ガール」を見てハッとしました。 理解のための手段だと思っていたから なんか小難しくて心が辛いみたいなことになっていたのかもしれんと。 目的、つまり、ゴールにしてしまえばいいんじゃね?と。 もっと楽しもうよ、数学を、と。 思えば、自分は小学1年から、ひたすら数学を勉強させられていました。 いや、嫌いじゃなかったんですけど、単に「問題を解く道具」として 知識を叩き込んでいっただけだったように思えます。 おかげさまで、小学中学年にして中学数学は完璧にマスターできました。 対テストという意味では。 だから、あるとき「ふとわからなくなって」、 そのままにしていたら「ぜんぜんわからなくなった」。 テトラちゃんと自分の差はそこでした。 なんとなくわからないものを放っておいた結果、 ぜんぜんわからなくなってしまった。 数学は好きだけどわからない。 先に進みたいけど進めない。もどかしい。 だから、社会人になって、仕事上のニーズが全くなくなって、 優先順位がどんどん下がっていって 基礎解析や代数幾何も、名前しかわからなくなった。 これってすごく残念なことですよ。 人類の歴史で、「その時その時必要だったから」という歴史的背景、あるいは、「あれ、これってこんな面白いものが隠れてるぞ」という好奇心から、数学者たちががんばって紐解いていったものなんですよね、数学って。 せっかくそれをシンプルに遺してくれているのに、それをわからないなんて。そこに辿り着けないなんて。と。 完全な理解はできなくても、 それを目的として進むことはできる。 通覧することにも意味がある。 数学ガールは、そういうことを教えてくれている気がします。 数学から離れて久しい自分くらいの世代には ぜひとりあえず手にとってみていただきたいと思う。 数式は自分もほとんど理解していると思えないけれども、 ミルカさん(またはテトラちゃん)の魅力に気が付くことができれば それだけでもまた意味があるんじゃないかと思うんですよね。 あと、自分の子どもには読んで欲しいと思うし 同時に、「僕」や「ミルカさん」のように、 数学の(あるいは別の)世界を見せてあげたいと思うのでした。 別に↑の本ではなくて、マンガで読んだって良いんです。 とかね。 こっちも参考になるのでぜひ。